南阿蘇鉄道 入場券

南阿蘇鉄道は、JR豊肥本線の立野駅(熊本県南阿蘇村)から高森駅(同県高森町)を結ぶ17.7kmの第三セクター鉄道です。第一次特定地方交通線であった高森線が1986年に転換されて発足しました。

現在は2016年の熊本地震による甚大な被害を受けて立野~中松間で運休中です。中松~高森間では日中に平日3往復、土休日5往復(うち4往復はトロッコ列車)の運行が続けられており、運休区間でも2023年の全線運転再開に向けた復旧作業が続いています。

さて、高森線は終点の高森駅を除いたすべての駅が無人駅であり、唯一駅係員が配置されている高森駅を含めて運賃は列車内で支払います。したがって、本来入場料金を設定する意味はほぼないのですが、記念入場券という体裁で全駅分の硬券入場券を高森駅にて発売しています。

高森駅 記念入場券の裏面

かつて、日本一長い駅名であった「南阿蘇水の生まれる里白水高原」駅を除いてB型であり、印刷は印版によるものと思われます。紙質から推察するに関東交通印刷製造でしょう。また、高森駅だけは裏面に絵柄が描かれています。

南阿蘇(中略)白水高原だけは地紋入りD型硬券でオフセット印刷です。また、理由は不明ですが料金は230円に設定されています。こちらもおそらく関東交通印刷製造と思われます。

いずれも「記念入場券」であることや「高森駅発行」であることが券面に記載されており、個人的には好印象です。

ちなみに、乗車券(トロッコ列車乗車券・回数券・定期券)は出札窓口で会計ですが、入場券は物販扱いらしく出札で申告後に横の売店レジにて会計を行う取り扱いであり、PayPayでの支払いも可能でした。